2021.07.16

教えて!推進員さんのMYスイッチ

高知県地球温暖化防止活動推進員(以下、推進員)の皆さんに
普段の地域での活動や推進員になるきっかけとなった
エピソードなどをお伺いします。
 

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今年度から「推進員の会」の新会長を務め、
高知県内の紙漉きや木育による環境教育に精力的に取り組み続ける
推進員の宮地亀好(みやじきよし)さん。

前職は、高知県立紙産業技術センターの職員で、長年に渡って
製紙の研究を行ってこられた、まさに「紙のプロフェッショナル」です。
今日は宮地さんに推進員活動と高知県への思いについてお話を伺いました。

 

 

●紙研究の実績を生かして、推進員に

在職当時は紙の研究や四国通産局(現在の四国経済産業局)の
省エネ企業診断などに。
そして退職後、子どもたちに、環境活動に興味を持ってもらいたいという思いから、
推進員になりました。第一期の推進員です。

(レストラン「平家の里」内にある宮地さんの作品と、作り方の指導をしている「一閑張り」)

香美市を始め県内各地のいくつかの小学校や中学校で、手漉きの卒業証書作りや、手漉きはがき作り教室などを通じて環境教育をしています。
そこでは和紙の原料に、生育の早いケナフを使い、その種を植えるところから、和紙を漉くところまで子ども達と一緒に行います。
そして、植物を実際に育てていくうえで、CO2が必要であることなどを話しながら、暮らしの中で、
自分たちがCO2を減らすためにはどうするべきだろう?ということも話し合います。

ケナフは非常に育つ速度が早い植物です。「早い速度で育つケナフを使って、さらに、できたものを長く使う」という工夫も必要という話をしています。

 

(種まき後一週間程度の「ケナフ」)

●香美市は環境教育に熱心な場所として有名。その理由とは?

香美市では、高知工科大学の教授や環境教育に熱心な先生が
リーダーシップを発揮してくださり、推進員とも連携が取れています。
こういった方々に御協力いただき、2019年に香美市の7つのエコクラブが
壁新聞を作りました。どのエコクラブの壁新聞も非常によい出来栄えで、
そのうちの1つである「香美市こどもエコクラブ みどリサイクル」は、この年の環境大臣賞を受賞しました。
また、高知「環境絵日記」(主催:高知県環境活動支援センターえこらぼ)のコンクールにも、毎年多数の応募をしていて、2017年度には香長小学校が「環境絵日記大賞(6年生)」と「学校特別賞」を受賞しています。
それらの取組を通じて、先生方と推進員との協力関係やネットワークが
さらに強いものになっていると感じます。
学校の先生は、異動もありますが、異動先の学校でも「環境教育」に力を入れてくれるため、良い連鎖が生まれています。
「また、紙漉き教室をやりたい」、「卒業証書を漉きたい」といった声があがり、活動が広がっているそうです。しかし、最近はそれだけではだんだん広がり方が難しくなってきたので、「木育」にも力を入れようと、色々計画をしています。

木育は楽しみながら、温暖化防止にも役立つ

木育とは、木との関わりを通じて、森林保全や温暖化問題などを学ぶ教育活動のことです。
香美市は、市の87.6%の面積を森林が占めています。
木琴作りなどを通じて大人も子どもも楽しく環境のことを学んでもらいたいと思います。

●今年、大学で文学の勉強を始める

今年、82歳で大学に入学し、大好きな短歌の勉強を始めたという宮地さん。
その元気の秘訣を尋ねると、意外な言葉が返ってきました。

「生きがいがあって、元気でやっていれば病気知らずです。
学び続ける姿勢を大切にしたいです。
この私の気持ちに共感して、がんばってくれる人がいてくれたら、もうそれだけで嬉しいです。」

 

人々に元気を与え、リーダーシップを発揮して精力的に推進員活動、その他
様々な活動に取り組む宮地さん。今期は推進員の会の新会長としても活動を
盛り上げてくれそうです。

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