2025.02.07

気持ちよくおしゃれを楽しむ!
自然にも、人にも、衣類にも優しいクリーニング

お話をしてくれた方

山下 浩明さん

株式会社サンライズクリーニング 代表

堤 基成さん

常連客

環境に配慮したクリーニングで衣服を長寿命に

ワイシャツ、スーツ、制服、おしゃれ着などの大切な衣服を、プロの知識と技で洗ってくれるクリーニング店でも脱炭素を目指したエコな取組がおこなわれています。

今回は県内に3店舗を構える「株式会社サンライズクリーニング」を取材して、ワイシャツやスーツのクリーニングでお店を毎週利用しているという常連客の堤さんと一緒に、同社のエコな取組について、代表・山下 浩明さんにお話を伺いました。

まずは、株式会社サンライズクリーニングさんの特長を教えてください。
地域密着型のクリーニング店として、高品質なクリーニングサービスの提供をモットーにしています。 一般的な衣服はもちろんのこと、剣道の防具などこれまで他店では断られるケースが多かったものについても、当店でお受けできるように、微細な泡によって洗浄をおこなうマイクロバブル装置を導入し、地域のみなさまの「洗いたい」というニーズに可能な限り寄り添えるようにしています。
株式会社サンライズクリーニングさんは、まさにクリーニングのプロフェッショナルで、私自身とても信頼しています。
私はオーダーメイドのスーツやシャツのクリーニングをお願いしていますが、素材やデザインに合わせて最適な提案をしてくださるんです。そのおかげで、スーツもシャツも長持ちしているように感じます。
お気に入りの衣服が長持ちするという点で、すでにエコに繋がっていますね! 他にもさまざまな取組がおこなわれていると聞きました。
衣類の素材によっては使用する洗浄剤は異なりますが、当社のクリーニングでは、肌に優しい洗い上がりと環境への配慮のために、排水後の分解スピードが早く、環境に不可の少ない天然石鹼や、衣服を長持ちさせるために繊維に優しい重曹を洗浄剤として使用しています。
ワイシャツの仕上がりには、天然成分のタピオカ粉ののりを使用しており、衣類や肌へのダメージを抑えることができます。さらに、天然由来の成分なので、のりを洗った時の排水も環境への負担が少ないです。また、洗浄力を高めるために軟水を使ったり、先ほども話に登場しましたマイクロバブル装置を使って洗浄剤の使用量の削減にも努めています。
私のワイシャツもタピオカ粉でのり付けされているんですよ。
最初に聞いたときは驚きましたが仕上がりに問題はないですし、何より環境に優しいものを使っているので着ていて気持ちが良いです。

洗うだけではないクリーニング店のサスティナブルな取組

クリーニング以外ですと、衣服のサイズチェンジや破れた部分の修復をおこない、長く着用できるようにするリフォームサービスを提供しています。
お気に入りの衣服を長く着用できるようにする。あるいは、時代に合わせたリフォームを施して古い服に新たな価値を持たせることは、廃棄衣料の削減に繋がります。
深刻化している衣料廃棄問題について「解決に向けた一助になりたい」という思いがあり、取組を進めてまいりましたが、近年は衣服の修復をおこなう職人さんの数が全国的に減少しており、課題に直面しております。
そうなんですね。なんとか継続できる方法があるといいですね。
他にも取り組んでいることはありますか?
ハンガーの回収とリサイクルをおこなっています。回収されたハンガーのうち、問題なく使用できるものは洗浄後に再利用しており、破損などで再利用が難しいハンガーについてはリサイクル業者へ渡して再資源化しています。
ちなみに、ハンガーをお店に返すとポイントがたまって割引券がもらえるんですよ。家に持ち帰ってもゴミになってしまいますし、ハンガーを返すだけでお得になりますから、私も大変助かっています。
環境にとっては優しく、お客さんにとってはありがたい取組ですね。
他にお客さんも関わっている取組はありますか?
エコバックの推進です。今ではエコバックを使うことが当たり前となっていますが、当社は早い段階から取組をスタートさせました。 ビニール袋が有料になったことで当初はお客さまから厳しいご意見もありましたが、環境保全のためであることを伝え続けるとともに、クリーニング後の衣服を入れやすい当社オリジナルのエコバックを作成してお客さまにとってのメリットも生み出すことで、浸透していったと思います。
エコバッグは私も使っていますが、スーツが入れやすいので助かっています。
ありがとうございます。ご理解・ご協力いただけるお客さまに感謝の気持ちでいっぱいです。
その他にも、使用するガスを排気がクリーンなものにしたり、設備に取り付ける消耗部品に再生資源でつくられたものを選んだりしています。ただ、そういったものはコストが割高になりますので、大変といえば大変です。

クリーニング業は循環型社会に大きく貢献できると信じて

洗浄方法にこだわるだけではなく、お客様にも環境にも嬉しい取組を多数展開しているのですね。
とても大変そうだと感じましたが、どうしてそこまで取り組むのですか?
取り組む理由の一つは、世界が持続可能な循環型社会に変わろうとしているなかで、選んでいただけるクリーニング店であり続けるためには、環境への意識を持つことが大切だと思うからです。お客さまからも「環境に配慮している姿勢が素晴らしい」とのお声を多くいただいており、私たちの活動をさらに前進させる原動力となっています。
そして、もう一つの理由は、クリーニング業は、循環型社会の実現に向けて大きく貢献できる業界であると信じているからです。クリーニング業の原点は「衣服を大切に洗って直して長く着用すること」にあり、それは循環型社会の考え方と重なります。
当社は、地域のみなさまと共に環境に優しい未来を築いていくことを目指しており、2022年に「こうちSDGs推進企業」の承認を得ました。今後も、環境に優しいクリーニングやリフォームサービスをおこないながら、地域社会全体の環境意識の向上にも貢献していきたいです。
今回のお話を聞いて、常連客である堤さんはどのように感じられましたか?
サンライズクリーニングさんの取組は、お店にとっては高コストでご苦労もあるだろうと思います。しかし、環境負荷の代償は私たち消費者にも必ず返ってくるはずです。だからこそ、環境を意識した取組をおこなっている店を選び、未来へつなげていくことが大事だなと改めて感じました。

これまではクリーニングから返ってきた衣服だけに目が行きがちでしたが、今回のお話を聞いて、クリーニング店さんのさまざまな努力にも目を向けてみようと思いました。
ハンガーの再利用などは県内でも取組が拡大しているそうなので、みなさんが通っているクリーニング店でおこなわれていないか、ぜひチェックしてみてください。