2026.03.10

自然は高知の財産 工場総合支援で未来をつくる

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TOSAMACHINEは、製造業に関する機械工具を扱う専門の卸小売商社として、1970(昭和45)年4月に創業しました。2025(令和7)年に創業55周年を迎え、長年にわたり地域のものづくり現場を支え続けています。
現在は、単なる商材の供給にとどまらず、工場が抱える課題に寄り添い、設備・工具・工程改善までを総合的にサポートする「工場総合支援・ものづくりソリューション企業」として事業を展開しています。 現場を知り尽くした商社だからこそできる提案力を強みに、製造現場の生産性向上や品質改善に貢献し続けています。

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TOSAMACHINEが脱炭素・省エネソリューション事業に取り組むようになった背景には、私自身の長年の問題意識があります。 学生時代から自然や環境への関心が高く、「自分たちが暮らす地域の環境を大切にしたい」という思いは、以前から社内にも根付いていました。 近年、脱炭素に向けた取り組みの可視化が、企業に対して具体的に求められるようになったことも、大きな転機となりました。
そうした中、ものづくり企業を支援するコンサルティング会社のサポートも受けながら取り組みを進め、中小企業版SBT(※1)の認定を取得するに至りました。高知県内では、現時点でその意義が十分に浸透しているとは言えないものの、将来的には取引条件の一つとして求められる可能性も見据え、早期に取り組む意義を感じています。
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現在はまず、身近な省エネ・省コストの取り組みから着実に進めています。ガソリン代や電気代の削減を目的に電気自動車を導入し、年間127日の休日を確保しながら、平日のみ会社を稼働する体制へ移行しました。そして、エネルギー使用量に関する数値目標を設定し、その達成状況や進捗率をホームページで定期的に公開するなど、取り組みの「見える化」も徹底しています。
また、毎月1回の営業会議ではガソリン使用量を発表し、社員全員で現状を共有することで意識醸成を図りながら、日々の行動につなげています。営業エリアは室戸から檮原までと広範囲に及びますが、電気自動車の充電インフラがまだ十分に整っていない現状を踏まえ、南国市内営業を中心にEVを活用しています。今後インフラが整備され次第、水素など次世代エネルギーへの移行を段階的に進めていく考えです。

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ものづくり現場の脱炭素・省エネソリューション事業を本格的に展開するきっかけとなったのは、ものづくりソリューションに関する勉強会への参加でした。そこで示されていたのは、機械工具の部品売買だけでは今後の成長が難しくなるという、業界全体の現実です。ネット販売の拡大により価格競争は激化し、さらに人口減少によって、現場を支える人材そのものも減っていく。そんな環境下では、従来型の営業スタイルだけでは生き残れないという課題意識がありました。
一方で、対面営業の価値そのものが失われたわけではありません。むしろ、単なる「差別化」ではなく、顧客ごとに寄り添い方を変える「区別化された営業」が求められている。その中で掲げられていたのが、「物を売る」のではなく、「工場を総合的に支援する」という考え方でした。TOSAMACHINEがこれまで培ってきた現場理解や関係性と重なる部分が多く、その方向性に強く共感しました。
この気づきをきっかけに、2025(令和7)年から工場の省エネ工事を含む「工場総合支援事業」を本格的にスタートし、設備の更新やエネルギー効率の改善といった脱炭素・省エネにつながる取り組みを、今後の事業の大きな柱として位置づけました。事業展開にあたっては、2025年(令和7)11月に高知県から特定建設業の許可を取得し、体制を整え、「これから本腰を入れて取り組んでいこう」という社内の意思統一も図りました。

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工場の総合的な支援とは、ものづくり企業の現場環境を整え脱炭素をサポートする会社になっていくということです。具体的には、工場の雨漏り対策や暑さ対策など、建物や作業環境に関わる課題を改善し、快適で働きやすい環境づくりを支援しています。まずは自社で職場環境の見直しとリノベーションに取り組み、その実体験をもとに、工場ごとの課題に寄り添った提案を行っています。

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暑さ対策として提案しているのが、猛暑対策と省エネの両面で効果を発揮する遮熱塗料の活用です。建物の表面に塗装するだけの比較的シンプルな施工で、夏場の電気代を最大約40%削減できるものもあります。工場の屋根や外壁などに塗布することで、直射日光による熱の侵入を抑え、室内温度の上昇を防ぎます。
実際に自社工場でもシャッター内部に施工しており、数値としての温度低下はもちろん、作業時の体感温度が大きく変わったことを実感しています。こうした自社での検証結果を踏まえ、現場の負担軽減と省エネにつながる暑さ対策として工場への導入を進めています。
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そのほかの取り組みとして行っているのが、工場向けのエア漏れ診断サービスです。コンプレッサー(※2)や配管などから漏れている圧縮空気を専用センサーで可視化し、どこからどれだけ空気が漏れているのかを特定します。
検知したエア漏れ量を年間の電気代に換算することで、改善によって見込めるコスト削減効果を数値で示せる点が特長です。 エア漏れを改善することで、電気代の削減だけでなく、設備の無駄な稼働が減り、作業効率や作業環境の向上にもつながります。2025(令和7)年4月からサービスを開始し、現在までに約20件の実績を重ねてきました。小規模な工場でも年間1万~2万円、大きな現場では10万~20万円規模の経費削減につながるケースもあります。
今後は製造業に限らず、食品業界や紙業界など、異業種の工場にもこのサービスを広げていく考えです。 他にも、工場床の延命化やLED交換など、相談いただければ工場全体の環境改善が可能です。

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新たな取り組みを始めるうえで、最初から社内の理解が得られたわけではありませんでした。「なぜやるのか」「今まで通りでいいのではないか」といった声も多く、新しいことに挑戦すること自体に抵抗感があったのが正直なところです。
そうした中で支えになったのが、現場責任者でもある営業本部長の存在でした。脱炭素や省エネを単なる流行ではなく、これからの会社にとって必要な挑戦だと本気で伝え続ける中で、営業本部長が「やりましょう」と声を上げ、前向きに動き出してくれたことは、大きな転機となりました。

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社内を説得する際に伝えたのは、「高知の未来のために、何か行動を起こしたい」という思いでした。少子化が進む中で、地域や産業を取り巻く環境はこれからさらに厳しくなっていきます。
そんな状況でも流されることなく、凛として存在し続けられる企業であるために、今こそ変わる必要があると話しました。 目先の利益だけでなく、これからの高知、そして次の世代につながる会社でありたいその考えを共有することで、少しずつ理解を得ていきました。
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今後は、工場総合支援をさらに徹底していく考えです。少子化によって人手不足が進む中、製造現場では自動化やロボット化が欠かせないテーマになります。その導入を支えると同時に、技術の継承や、誰もが働きやすい環境づくりにも力を入れていきたいと考えています。
工場の環境改善や設備更新は、単なるリノベーションではなく、未来に向けた「投資」。生産性や安全性、そして働く人の意欲を高めるために必要な取り組みだと捉えています。 「打つ手は無限にある。できない理由を探すのではなく、できることを探す」。その姿勢を大切にしながら、これからもものづくり現場に寄り添い、高知の産業を支える存在であり続けたいと考えています。