
お話をしてくれた方

片岡 裕也さん
株式会社オフィスK 代表取締役
未来に不可欠な再生可能エネルギー

2011年以降、日本の温室効果ガスの排出量は増加しており、2013年度には日本国内で14億800万トンという過去最高の排出量を記録しました。こうした中、温室効果ガスを排出しない国産のエネルギー源として普及が進められているのが、太陽光・風力・地熱・中小水力などからつくられる「再生可能エネルギー(※1)」です。
今回は、一般家庭や事業所向けに、再生可能エネルギーの一つである太陽光発電システムの販売を行っている株式会社オフィスKの代表取締役・片岡裕也さんにお話を伺いました。
※1 石油や石炭といった化石燃料とは異なり、自然の活動によってエネルギー源が絶えず再生、供給され、利用時にCO₂(二酸化炭素)が増加しないエネルギー源のこと

- まずは、オフィスKさんの事業内容を教えてください。
- 高知県のみなさまのお役に立てる地域密着型の会社を目指し、住宅や小規模事業所の屋根上に設置する太陽光発電システムや、蓄電池システム、オール電化システム(※2)などの販売と、電気小売業の代理店をしております。
※2 家電製品以外に給湯システムや暖房器具など、すべて電気エネルギーで動く器具・製品でまかなう仕組みのこと
- 会社を起ち上げることになったきっかけや経緯を教えてください。
- 当社の起業前に、住宅販売会社で太陽光発電システムを担当させていただいたことが最初のきっかけとなります。実際に太陽光発電を導入したご家庭の電気代がお安くなったのを見て、「自然の力を活かした再生可能エネルギーは、これからますます需要が高まっていく」という未来が容易に想像できました。 また、近い将来、南海トラフ地震(※3)の発生が想定される中、太陽光発電システムや蓄電池システムは減災対策にも繋がるので、家庭に導入することは有意義だと考えました。 会社員時代、「この分野に特化した仕事をして社会に貢献していきたい」と考えるようになり、プライベートで子どもが生まれるタイミングと重なったことで「挑戦するなら今しかない!」と決意し、会社を起ち上げることになりました。
※3 駿河湾から日向灘沖にかけてのプレート境界を震源域として約100〜150年間隔で繰り返してきた大規模地震1946年に発生した昭和南海地震から70年以上経過した2024年現在では、南海トラフ地震発生の切迫性が高まっている。
- 熱い思いを持って起業されたのですね。
太陽光発電のメリット・デメリットとは?
- 太陽光発電は身近な存在となっていますが、正直なところ知らないこと・分からないことも多いです。 改めて太陽光発電システムのメリットって何ですか?
-
現在の日本の電気エネルギー源として多くの割合を占めている火力発電は、化石燃料を燃やして発電しています。一方、太陽光自体は自然に絶え間なく降り注いでくるものであるため、いわば将来的にも持続可能な資源といえます。
また、太陽光発電は、化石燃料による火力発電に比べてCO₂(二酸化炭素)排出量が10分の1以下となる試算があります。つまり、火力発電から太陽光発電に少しずつシフトすることで地球温暖化抑止に貢献できるということになります。
ただ、実際には環境面というよりも「電気代削減・災害時の備え」といった理由で設置されるお客様が多いですね。
-
日々の光熱費や減災対策も大事ですよね。
では、デメリットはありますか?例えば、太陽光パネルを使い終えたり、災害などで破損した太陽光パネルの大量廃棄が問題になっているというニュースを耳にしたことがあります。
-
たしかに以前は太陽光パネルの処分方法が追いついておらず、そうした問題が話題となっていました。
しかし、現在の住宅用パネルは30〜40年持ち、中古パネル市場も活性化しています。さらに、パネルのリサイクル業者も増えており、太陽光パネルの廃棄問題は以前より落ち着いてきているように思います。
- 太陽光パネル自体が長く使えるようになるだけではなく、リサイクル資源になっているんですね!
勢いで決めるのはNG!失敗しない太陽光発電の選び方
- では、片岡さんが考える「太陽光発電システムの導入の際のポイント」とは何ですか?
-
太陽光発電システムを導入される際には、十分に事業者と相談のうえ、できるだけ不明点をクリアにして、検討をいただきたいと考えています。
私はお客様の不安を少しでも払拭できるよう、「太陽光発電アドバイザー」と「太陽光発電メンテナンス技士」の資格を取得しました。設置する屋根の位置や角度、周囲にどんな障害物があるか、また、屋根の形状によっても発電容量が左右されますので、きちんと現地調査を行い、経験上の感覚や実際のデータを踏まえて正直にお伝えした上でお客様にご判断していただくようにしています。
また、当社では事務所の屋根の上に太陽光発電パネルを設置して、電力の一部を太陽光でまかない、社用車にPHEV(※4)を導入しています。それによって電気代やガソリン代にどれくらい削減効果があるか、お客様にリアルにお伝えするようにしています。
※4 プラグインハイブリット車の略称
ガソリンエンジンとモーターの両方を搭載し、外部電源からの充電もできるハイブリッド車の進化版

- 導入費用やその後の運用なども踏まえて、納得した上で設置するかどうか決められると安心ですね。
- そうですね。当社に限らず、高知県には信頼できる業者さんは何社もあります。 まずは数社と話をしてみて、「納得できる説明をしてくれるか?価格が異常に高くないか?現実的にメンテナンス対応が可能か?」などを比較・確認していただきたいです。
-
参考になるアドバイス、ありがとうございます。
他に一般家庭で導入する際に、気をつけておくべきポイントはありますか?
-
それぞれの自治体において、太陽光発電システムの導入に対する補助金制度が行われています。私が調べたところ、2024年度では最大160万円もの支援を受けられる県内自治体もあります。
そうした制度の周知が、一般の方に浸透していない実情があると思いますので、導入を検討される際には、そうした支援制度を活用していただきたいです。
- 導入に関心がある方は、住んでいる自治体に支援金制度があるかどうか問い合わせてみると良さそうですね。
一人の思いをみんなに広げていく
- 最後に片岡さんの目標を教えてください。
-
地域の方により安く、より安心して太陽光発電システムを設置できる環境をつくっていきたいと考えています。
高知県内の信頼できる業者が集まって協力できれば、導入がより加速していくと思いますし、例えば、自治体や金融機関などと協業して、子育て世帯限定で設置費用を完全無料にするといった企画ができたら良いなと考えています。
個人や一企業では難しいこともみんなで協力すれば実現できると思います。そのきっかけを生み出せるよう、積極的に動き、声を上げていきたいです。
現在、子育ての真っ最中であり、地元の子ども達が集うお祭りなどの運営にも積極的に参加しているという片岡さんは、「子ども達の元気な姿を見ると、地域社会をより良い方向にもっていきたいという思いが生まれますし、適当な仕事はできないなと改めて実感します」と語っていました。子ども達の未来を思う気持ちが、お仕事の原動力になっているようです。