高知県地球温暖化防止活動推進員(以下、推進員)の皆さんに
普段の地域での活動や推進員になるきっかけとなった
エピソードなどをお伺いします。
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-環境学習の出前授業や温暖化防止の研修会、地域イベント等に
積極的に参加している竹島智佐(たけしま ちさ)さん。
推進員としての知識と経験を余すことなく発揮し、活動に
あたってのアイデアの引き出しもたくさんお持ちの方です。
その場を明るく盛り上げるムードメーカーでもある竹島さんに
推進員になったきっかけや活動の様子を伺いました。
●推進員になったきっかけ
-活動をスタートしたのはいつからですか?
2018年の9月からです。50歳から始めたベリーダンスの教室で
ご一緒していた推進員の門脇由紀子さんに誘っていただいたのが
きっかけです。活動をしていくうちに、地球温暖化の現状や影響など
初めて知ったことも多いですね。温暖化防止活動の啓発イベントや
推進員の定例会「コツコツサロン」に参加することは、楽しみながら
学べるよい機会となっています。
●印象に残る手漉きの卒業証書づくり
-これまでの推進員活動の中で、いちばん印象に残っているのは?
種から育てたケナフを繊維にして手漉きの卒業証書を作る取組に
参加したことです。2022年2月は、宮地推進員の指導のもと
香美市立片地小学校をはじめ、楠目小学校、香長小学校、鏡野中学校と
4日連続で卒業証書の紙漉きを行いました。
子どもたちは、卒業証書だけでなく、紅葉やシダの押し花を漉き込んだ
ハガキも作りました。みんながそれぞれにアイデアを凝らしながら、
真剣に取り組む姿をじかに見ることで、たくさん元気をもらいました。
特に今回は、初めて乾燥工場にも同行したのでとても勉強になりました。
●防災士と推進員の活動
私は推進員としての活動以外に、防災士としての地域活動にも力を
入れています。また、健康管理士一般指導員や高知森林救援隊員としての
活動もしています。
中でも、防災避難訓練でよく行う「パッククッキング」は、ぜひ皆さんに
知っていただきたい調理方法です。スーパーマーケットなどでロール状に
なっているのをよく見ますが、あのビニール袋(高密度ポリエチレン)を
使ってご飯が炊けるんです。冷たくなったご飯を湯煎で温め消毒することも
できます。過酷な避難生活を乗り切るため、温かな食事の工夫として広めて
いきたいですね。
それから、家庭でローリングストックを行う必要性や、普段家にあるもので
できる非常時の調理についても、ぜひ知ってもらいたくて教えています。
防災士の活動は、いざというときに自分も他人も困らないようにする知恵と
工夫がいっぱいです。普段から「想像力」を働かせて、「こんなとき、
他の人もきっと困るんじゃないかな…」と思うことに対して、
「私はこうするよ」とお伝えして、結果として困ることがちょっとでも
少なくなったらいいなと思いながら活動をしています。
-これは、温暖化防止につながる生活の知恵や工夫を伝える、推進員の活動にも
共通しますね。両方の活動に相乗効果をもたらしている様子が分かります。
●活動のモットーは「楽しいこと!」
推進員、防災士、健康管理士一般指導員などの、すべての活動が私に
とっては生活の一部であり、それぞれにどこかでつながっています。
だから特に「私は今、この活動をしている」という個別の感覚は
持っていません。もともと楽しいことが大好きなので、推進員の活動も
それ以外の活動も「楽しい!」と感じたら、のめりこんでいます。
結局、自分が楽しんでやっているうちに、気づいたらどこかに
「所属」していることが多いんですね(笑)。
推進員になってからも、まだまだ知らないことがいっぱいです。
以前の私の生活に「地球温暖化防止」という観念が一切なかった
ことを考えると、きっと以前の私と同じように「温暖化」のことや
「環境」のことを知らない人がたくさんいると思います。だからこそ、
推進員としての活動は地道に長く続けていこうと思っています。
●子どもたちが困らない社会を
これからの社会に望むことは「未来の子供たちが困らない」ことです。
社会や地域が抱える課題はたくさんありますが、推進員やその他の活動を
続けて得た知識を活用し、伝え、活動の輪を広げていくことで、少しでも
そんな社会に近づけばいいなと思っています。そのために、私らしく
楽しみながら実践していきたいですね。「おせっかいばぁ(婆)」と言われても、
やめませんよ(笑)
竹島さんは、さまざまな知識に裏付けされたアイデアや工夫で、
困ったときにも明るく前進につなげてくれる心強い存在です。
これからの活動にも大いに期待しています。